知人の遺品整理を手伝っていたら、ちょいとおもしろいものが出てきました。

*追記あり

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正式な名前は「東芝BC発光器 オールマイトスーパーⅡ」。ストロボが普及する前に使われていたもので、一般的にはフラッシュガンと呼ばれていた。

*追記
カメラ年鑑1965年版によれば定価2,700円、ポケットタイプのストロボ(TS-25)が6,800円。カメラではペンタックスS2が30,600円、ニコンFが68,500円となっている。

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取説も入っている。

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光源の閃光電球によって露出(絞り)も異なってくる。電球にはレンズシャッター用のM級と、フォーカルプレーンシャッター用のFP級があり、点灯してから光量がピークに達する時間がストロボより遅いので、カメラにはフラッシュ用のM接点とストロボ用のX接点の両方を備えているものもあった。電球は一番小さいUS-1が20円、最大のスーパー5(スワンベース)が43円となっている。

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愛用者カードは2枚入っていた。切手代は7円。

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これが収納状態。

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反射傘を開き始めたところ。

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全開。左下(7時の位置)にスリットが2箇所あり、左側にスリットに引っかければ投影角度が狭くなる。電球は大きさが3タイプあり、ソケットはそれぞれの口金に対応できる。

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後ろ姿。発光部は上向きにバウンスできる。

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電球の種類、フィルムの感度、被写体までの距離から絞りを決める。

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電池は15Vのものが1個で、右はキャパシター(コンデンサー)。少なくとも数10年以上経過していると思うが、液漏れはしていない。この電池は160円と印刷されている。電車の最低運賃が20円くらいだった昭和40年代初めの製品と思われるので、現代の貨幣価値なら1000円以上になるだろう。

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カメラに取り付けたところ。取付け金具が前側から嵌め込むようになっているので、適当なアダプターがないと前向きにならない。一眼レフが普及し始めた昭和40年代には小型のストロボも発売されていたので、私はフラッシュガンを使ったことはない。しかし、この形は道具として気に入っている。現在は電球も電池も手に入らないから実用性はゼロだが、コレクションアイテムとして保存しておきたい。