展示車両を見終わったら2階に上がる。このフロアは小田急沿線の見所を凝縮したジオラマパークが大半を占めている。鉄道模型の世界でジオラマという表現の是非はさておき、ここに限っては圧倒的なストラクチャーが主役と考えられるから、個人的にはまぁいいんじゃないかなと思う。

中に入った時は夜のシーンだった。カメラ任せにするとかなり明るく写る。

実際にはこのくらいの感じだ。右端が新宿で「つ」の字型に広がり、左端が箱根湯本、真ん中当たりの出っ張りが江ノ島と鎌倉になる。

新宿駅西口広場の夜景。写真は少し青が強めになっている。

2層の新宿駅。現在、小田急百貨店の建物はなくなっているが、ジオラマはしばらくこのままだろう。

南口の甲州街道をアンダークロスする部分。

代々木上原の手前、地下鉄千代田線が合流する部分のようだが、真ん中の線路2本はダミーなので地下鉄直通列車は走らない(走れない)。

8000形フラワートトレインの併結。線路と道路の間にある謎の空間は何なのか。

下を世田谷線が走るから豪徳寺あたりだが駅は省略。車両は4000形と1800形の併結で、4000形が小田原寄りになっているのは特別な意図を感じる。左端は成城学園前なのだろう。

多摩川を渡る。アンダークロスする複線は南武線というところか。車両は2200系の通称「ぶつ8」で新宿寄り(右側)4両が2220形、小田原寄り4両が2200形というのも芸が細かい。

右が町田で、下の横浜線はウグイス色の103系。左は海老名、手前は鎌倉で半島状に突出た江ノ島に続いている。車両は1600形+1700形の通勤急行で、この編成が突っ込み所満載なのだ。

片瀬江ノ島で車両は旧塗色の1800形。ホームの反対側にEXEの4連が停車している。奥にスイッチバックの藤沢があるがビルに隠れてよく見えない。左上に見えているデルタ線を通って町田までの折返し運転で、藤沢には入らない。

半島部から見た海老名の遠景。左手前が片瀬江ノ島でEXEがちらっと見える。

相模川を渡り海老名に到着する通勤急行。相模川沿いの相模線はまだ非電化でキハ35が走る。

左の建物が本厚木になるが、ここから御殿場線への連絡線が分岐している。

酒匂川で擦れ違うVSEとGSE。オーバークロスしているのは御殿場線で、右にカーブしているのが小田急との連絡線。新松田の駅は思いっ切りよく省略されている。左が小田原で高架は新幹線なのだが、この日はVSEが走っていた。

箱根湯本。真ん中あたりの国道上では箱根駅伝が再現されている。車両は自動運転だが新宿、箱根湯本とも通抜けで、個々の列車は上りか下りの一方向しか走らない。レイアウトの裏を回ってエンドレスになっているようで、箱根湯本に到着した列車は数分後に新宿から下って来る。

ここで先ほどの1600+1700の編成をいろいろと検証してみよう。画面右が新宿だから1600形は奇数車号となる。そして2両目のクハの台車に注目。本来ならTR14なのだがこれはどう見てもイコライザー式ではない。小田急マニアなら先刻承知、空気バネ台車付きの1651なのだ。

続く茶色の4連は1700形の1705編成。前面2枚窓だった3次車を一般車の4連に改造し、さらに更新で前面が貫通式になった頃の姿を再現している。ならばパンタはどうよと写真を拡大してみると、しっかり横型碍子の三菱S-710Cになっている。

小田急マニアなら見逃せないのはサハの違い。右が特急時代に20m車体だったのを17m級に縮めた1755、左は4連化のために新製した1756で、パッと見にはベンチレーターが違うのがわかる。さらに突き詰めれば後者は全長がやや短く、それは車端の小窓の幅に現れている。もうひとつは台車でオリジナルはゲルリッツ式のFS108、増備車はOK17という違いがある。FS108はDT21で代用されているが、OK17はそれらしい形になっているのが泣かせてくれるではないか。さらにこの編成だけはサウンド付きで、走り出せば吊掛モーターらしい音が聞こえてくる。
もうひとつ、前出の4000+1800の編成も実際には小田原寄りから1800+4000という連結順序だった。この編成で中間のクハが浮上がって脱線する事故が起こったので両者の併結は中止、4000形のパイオニア台車は軸バネ式に取替えとなった。原因は力行特性の違いによるもので、素人考えでも連結順序を入換えれば(4000形を小田原寄り)解決したのではと思う。このレイアウトの車両担当者も恐らく同じ考えから、敢えて実物とは違う編成を組ませたのではないだろうか。いずれにせよ模型でこういう編成を再現することを考えた担当者は只者ではない。お前ら、わかるかな、わかんねぇだろうなという挑戦のメッセージが込められている、と深読みするのは私くらいか。

車両以外の突っ込み所は2層になっている新宿と下北沢の処理。右側2線が新宿の地上ホームからの急行線で、このまま緩行線の下に潜って下北沢の急行線ホームに続いている。この部分は左のビルで隠すようになっていて、かなり意地悪くカメラを突出して撮影した。

8000形のフラワートレインが走っていたのとほぼ同じアングルで、堀割のような空間をMSEが新宿に向かう。昼間のシーンでは目立たないが、夜景では室内灯の光が漏れて存在がわかる。
以上は現場ですべて気付いたわけではなく、取込んだ画像を拡大して初めて気付いた部分もある。走っている車両は日によって入れ替わりもあるだろうから、少なくとももう一度は行ってみる必要がありそうだ。

中に入った時は夜のシーンだった。カメラ任せにするとかなり明るく写る。

実際にはこのくらいの感じだ。右端が新宿で「つ」の字型に広がり、左端が箱根湯本、真ん中当たりの出っ張りが江ノ島と鎌倉になる。

新宿駅西口広場の夜景。写真は少し青が強めになっている。

2層の新宿駅。現在、小田急百貨店の建物はなくなっているが、ジオラマはしばらくこのままだろう。

南口の甲州街道をアンダークロスする部分。

代々木上原の手前、地下鉄千代田線が合流する部分のようだが、真ん中の線路2本はダミーなので地下鉄直通列車は走らない(走れない)。

8000形フラワートトレインの併結。線路と道路の間にある謎の空間は何なのか。

下を世田谷線が走るから豪徳寺あたりだが駅は省略。車両は4000形と1800形の併結で、4000形が小田原寄りになっているのは特別な意図を感じる。左端は成城学園前なのだろう。

多摩川を渡る。アンダークロスする複線は南武線というところか。車両は2200系の通称「ぶつ8」で新宿寄り(右側)4両が2220形、小田原寄り4両が2200形というのも芸が細かい。

右が町田で、下の横浜線はウグイス色の103系。左は海老名、手前は鎌倉で半島状に突出た江ノ島に続いている。車両は1600形+1700形の通勤急行で、この編成が突っ込み所満載なのだ。

片瀬江ノ島で車両は旧塗色の1800形。ホームの反対側にEXEの4連が停車している。奥にスイッチバックの藤沢があるがビルに隠れてよく見えない。左上に見えているデルタ線を通って町田までの折返し運転で、藤沢には入らない。

半島部から見た海老名の遠景。左手前が片瀬江ノ島でEXEがちらっと見える。

相模川を渡り海老名に到着する通勤急行。相模川沿いの相模線はまだ非電化でキハ35が走る。

左の建物が本厚木になるが、ここから御殿場線への連絡線が分岐している。

酒匂川で擦れ違うVSEとGSE。オーバークロスしているのは御殿場線で、右にカーブしているのが小田急との連絡線。新松田の駅は思いっ切りよく省略されている。左が小田原で高架は新幹線なのだが、この日はVSEが走っていた。

箱根湯本。真ん中あたりの国道上では箱根駅伝が再現されている。車両は自動運転だが新宿、箱根湯本とも通抜けで、個々の列車は上りか下りの一方向しか走らない。レイアウトの裏を回ってエンドレスになっているようで、箱根湯本に到着した列車は数分後に新宿から下って来る。

ここで先ほどの1600+1700の編成をいろいろと検証してみよう。画面右が新宿だから1600形は奇数車号となる。そして2両目のクハの台車に注目。本来ならTR14なのだがこれはどう見てもイコライザー式ではない。小田急マニアなら先刻承知、空気バネ台車付きの1651なのだ。

続く茶色の4連は1700形の1705編成。前面2枚窓だった3次車を一般車の4連に改造し、さらに更新で前面が貫通式になった頃の姿を再現している。ならばパンタはどうよと写真を拡大してみると、しっかり横型碍子の三菱S-710Cになっている。

小田急マニアなら見逃せないのはサハの違い。右が特急時代に20m車体だったのを17m級に縮めた1755、左は4連化のために新製した1756で、パッと見にはベンチレーターが違うのがわかる。さらに突き詰めれば後者は全長がやや短く、それは車端の小窓の幅に現れている。もうひとつは台車でオリジナルはゲルリッツ式のFS108、増備車はOK17という違いがある。FS108はDT21で代用されているが、OK17はそれらしい形になっているのが泣かせてくれるではないか。さらにこの編成だけはサウンド付きで、走り出せば吊掛モーターらしい音が聞こえてくる。
もうひとつ、前出の4000+1800の編成も実際には小田原寄りから1800+4000という連結順序だった。この編成で中間のクハが浮上がって脱線する事故が起こったので両者の併結は中止、4000形のパイオニア台車は軸バネ式に取替えとなった。原因は力行特性の違いによるもので、素人考えでも連結順序を入換えれば(4000形を小田原寄り)解決したのではと思う。このレイアウトの車両担当者も恐らく同じ考えから、敢えて実物とは違う編成を組ませたのではないだろうか。いずれにせよ模型でこういう編成を再現することを考えた担当者は只者ではない。お前ら、わかるかな、わかんねぇだろうなという挑戦のメッセージが込められている、と深読みするのは私くらいか。

車両以外の突っ込み所は2層になっている新宿と下北沢の処理。右側2線が新宿の地上ホームからの急行線で、このまま緩行線の下に潜って下北沢の急行線ホームに続いている。この部分は左のビルで隠すようになっていて、かなり意地悪くカメラを突出して撮影した。

8000形のフラワートレインが走っていたのとほぼ同じアングルで、堀割のような空間をMSEが新宿に向かう。昼間のシーンでは目立たないが、夜景では室内灯の光が漏れて存在がわかる。
以上は現場ですべて気付いたわけではなく、取込んだ画像を拡大して初めて気付いた部分もある。走っている車両は日によって入れ替わりもあるだろうから、少なくとももう一度は行ってみる必要がありそうだ。








