モハメイドペーパーの      何が出てくるか 2.2

かなり「鉄」分が多めの内容になっています。 バックナンバーはこちらから http://jorc.livedoor.blog/   http://jorctk.cocolog-nifty.com/

鉄道強要講座

鉄道強要講座(前面貫通式の構造を考える)

忘れた頃に現れる鉄道強要講座、先日、近鉄の貫通路が変態だという話題が出たので、どのあたりからが変態なのかを考えてみよう。

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これは国鉄クモハ51形の平面図で、誠文堂新光社の国鉄電車ガイドブックから借用した。先頭車が中間に入った時は幌を渡して通り抜けができるわけだが、その場合、通路となる部分以外は乗客が入れないように閉鎖する必要がある。図面からわかるように、客室との仕切り扉をほぼ90度回して運転士席の部分を閉鎖。車掌側は図面で3本線になっている部分が常時開になっている引き戸で、これを引き出せば閉鎖できる。関東では先頭車が編成中に入っても幌を渡すという慣例がなかったので、車掌側の引き戸を省略したり、後年、通路部分にブレーキ関係の配管を通したりして、前面の開き戸が開閉できなくなっている例もあった。

P4229750 京成3500

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京成電鉄の3500形は運転士側と車掌側を区切る標準的な構造を備えていて、仕切り扉で運転士側、前面の貫通扉で車掌側を閉鎖することができる。初代の3300形までは仕切り扉の内側(客室側)にもう1枚引き戸があり、通路を仕切ることができた。子供の頃に京成に乗った時、仕切り部分に扉が2枚あるのが珍しかった。この方式は非常に合理的なのだが、仕切り扉、貫通扉の幅はむやみに広くできないから、運転室の奥行きが拡大されると寸法足らずで完全に閉鎖することができなくなる。

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PA286871 東武10030
東武鉄道10030型では前面の扉の内側に運転士側を仕切る扉を備えた。車掌側は折り畳まれた固定仕切りを反転させて幅を稼いでいる。

P7125361 東武8000

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東武鉄道8000系、原型は京成3500形に準じた構造だったと思われるが、更新で運転室の奥行きが拡大されたので、10030型と同様に貫通扉の内側に運転士側を仕切る扉が増設された。客室との仕切りは引き戸で、京成電鉄とは逆の車掌側に引き込む。

P7045622 京王9000

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京王電鉄9000系の1次車(8連)。この状態では車掌側は閉鎖できないが、地下鉄乗入れ対応で2連を増結する八王子寄りは、可動仕切りを付けて閉鎖できるようにすることが考えられていた。実際には地下鉄乗り入れ用は10連で増結の必要がなくなったから、可動仕切りは実現しなかった。

P8226482 南海6000
関西はどうだろうか。これは南海電鉄6000系で、仕切り扉が引き戸なのは京成電鉄の初代3300形までと同じ。貫通扉は運転士側に開き、車掌側は閉鎖されない。

P7244523 南海8000-1000
同じく南海電鉄、8000系(奥)と1000系(手前)の連結部分。6000系とは貫通扉のヒンジの位置が反対になり、車掌側も完全に閉鎖される。

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阪急電鉄6000系。貫通扉と仕切り扉を重ねて運転士側を閉鎖するが、車掌側は閉鎖しないで立ち席スペースとなる。7000系以降は車掌側に可動仕切りを取付けて閉鎖できる構造としたが、取付けは連解対応となる基本編成の梅田寄りMcと、増結編成のTcに限定された。現在は10連が廃止されたので可動仕切りも撤去されているかも知れない。なお、車掌側の仕切り窓は3000系まで(と思う)ガラスがなくて素通しだった。

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2300系は貫通扉と仕切り扉の重なり方が逆になっている。変わったのは5000系あたりからだろうか。

P9270486 近鉄2410

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近鉄2410系。貫通扉と仕切り扉を重ねて運転士側を閉鎖するのは阪急と同じ。車掌側は立入禁止のささやかな札が下げられている。

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貫通路がうねっているとシグ鉄さんがびっくりしたのがシリーズ21といわれるグループ。前面はごく当たり前のスタイルなのだが。

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なんと、車内の仕切り扉は中央ではなく右側にある。

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P9270521 近鉄9020
なんともおもしろい区切り方で、通路は斜めになっている。

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連結した在来車から見るとこうなる。

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P8256001
オマケはJR東日本の701系。20系気動車みたいで実質的には半室構造といえる。貫通扉は開いた位置で固定されるが、車掌側は完全に閉鎖されない。

いやぁ、貫通路の構造もなかなか奥が深い。









鉄道強要講座(近鉄特急車のドア位置)

シグ鉄さんのブログのコメントが発端で、近鉄の特急車のドア位置について考察してみます。特急車のドア(出入口)は片側1箇所が基本で、さらに運転室の後ろは必ずドアを置くという縛りがあるようです。ただし、しまかぜ、ひのとりなどの前面展望を考慮した車両はこの限りではありません。

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かつての主力だった12200系。クとサ(右端と3両目)は2ドアになっている。これはドア間隔を1両分以内として、乗客がホームのどの位置にいても、ドアまで半車以上歩かせないという考えに基づくものと思われる。サが2ドアになっているのは、McーTc編成のクを基準にしているからだろう。

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最初から4連で登場した12400系は、サ(右から3両目)も1ドアになった。

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12410系も同様で、右端のクだけが2ドア。3連で登場した経緯からトイレ・洗面所はモ(右から2両目と4両目)に設置されている。

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30000系は両端のモにトイレ・洗面所がある。右端のモ30250が2ドアになっているのは、12200系の流れを汲んでいるのだろうか。

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22000系も2連で片側3箇所を基本とするが、4連では右から2両目のドア位置が、本来の先頭車(左端)とは逆になっている。

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21000系アーバンライナー。左から2両目のモ21500が2ドアになっている。

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23000系伊勢志摩ライナーは、右から3両目のモ23300が2ドア。

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南大阪線の16000系は大きな荷物を持った登山客などを考慮して、各車2ドアで登場したが、リニューアルでモ(左)は連結面寄りのドアを埋めて客室とした。大井川鐵道に譲渡した3本はリニューアルが行われていない。

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26000系さくらライナー。リニューアルで先頭車の最前部にドアが増設された。オリジナルは最前部まで座席があり、運転室扉は非常口としての使用を考慮して幅が広めになっている。

以上、よく観察できるよう、写真は大きめにしてあります。

鉄道強要講座(近鉄特急車の見分け方)

OER3001氏のブログで、近鉄の特急車、特に22000系と22600系の違いがよくわからんと書かれていますので、お節介ですがそのあたりを突っ込んでみます。

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2枚並べてみた。上が22000系、下が22600系、さぁどこが違う? シグ鉄さんは貫通扉の窓の縦横比で判別されているが、それよりも一目でわかるのは屋根のカーブ。22000系は平べったく、22600系はこんもり丸い。標識灯の位置も22000系は車体裾部分、22600系は台枠部分となる。もうひとつ、フロントガラスの下辺が22000系は僅かに跳ね上がっているのに対し、22600系は水平になっている。
 編成全体で見ると、パンタグラフが22000系は下枠交差型、22600系はシングルアームで、これは今後取換えられる可能性がある。側窓の天地寸法は22600系の方が大きい。見えないところでは22000系がオールM、22600系はMT半々という違いがある。

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フロントガラスの下辺が跳ね上がっているのは、旧塗色の方がよくわかる。

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ということで、OER3001氏が撮影されたこの編成を見てみよう。後ろ2両は22000系、続く2両は22600系と判別できる。先頭の4両は12400系で間違いないと思う。12200系の流れを汲む屋根高さが低い車体で現存するのは12400系、12410系、12600系の3形式で、M車が2個パンタなのは12400系だけなのだから。

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オマケは12400系と12410系の見分け方。これは12400系で、ポイントはパンタグラフが4個、貫通扉上の部分にリブがないこと、特急の表示窓はほぼ正方形で、標識灯ケースは横長。

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こちらは12410系。パンタグラフは2個、貫通扉上にリブが2本あり、特急表示窓は逆台形、標識灯ケースは下辺が跳ね上がっている。パンタグラフの配置に限れば12600系も同じだが、3連で登場して後にサを組込んでいるため、トイレ・洗面所の位置が変則的になっている。サ12560形は補助機器がなく、重心下げるためクーラーの一部を床下に置き、そのダクトが見える。

 以上のポイントをしっかり頭に入れておけば、標準軌特急車の形式は9割以上の確率で判別できると思う。
プロフィール

モハメイドペーパー

1946(昭和21)年1月生まれ、男、AB型。中央線(JR)の沿線に生息しているので、鉄道は複線で電化され、電車が頻繁に走るものと認識している。鉄道関係のライターが本職となり、現在も細々ながら現役。趣味はカメラいじりと模型製作。

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