5月31日から西武鉄道で8000系の営業運転が開始された。新車ではなく小田急電鉄8000形を譲り受けたもので、西武ではCO2の排出を抑えて環境にやさしいサステナ車両と定義している。環境に配慮していることを強調しているけど、本音は整流子モーターの車両を置き換えてメンテナンスの手間と費用を軽減したいということ。対象となるのは2000系と4000系で、その後釜には東急電鉄9000系も予定されている。整流子モーターの車両を置き換えるという考えはよいとして、それならせっかくVVVF改造した9000系を廃車にしたのはなぜなのか。会社にも相応の事情はあると思うが、そのあたりを野次馬的に考えてみたい。

これは2000系、当初は混雑の激しい新宿線の西武新宿~田無間で使用する特殊用途の車両という位置付けだったが、その後、全線で使用されるようになり、最盛期には436両に達した。回生ブレーキ付きの界磁チョッパ制御で、登場時は省エネ車両の代名詞だった。

これは9000系、1992年で2000系の新製が終わり、翌年から10連8本が登場した。2000系と同じ車体だが101系の足回りを流用した抵抗制御車で、2003年度からVVVF制御に改造された。写真は2010年撮影で、前面のマークは省エネをアピールしている。モーターと制御装置は20000系と同じ、ギア装置は101系のものを流用しているので20000系よりギア比が小さく、鋼製車体で重いことなどを考慮して6M4Tとなった。
2000系と見分けるポイントは前面の手摺りが黒、電気連結器を備えていないことで、ドアもヘアライン仕上げの向きが2000系の縦に対して横になったため、少し艶消しのように見える。

京急擬きの塗色もあった。

20000系、アルミ車体でモーター出力は135kW、10連もMT同数の5M5Tとなっている。

9000系は2017年度に30両が廃車となった。この年は40000系が40両新製され、6000系の制御装置更新が行われている。車体はそろそろ更新の時期だが、まだ老朽化が進んでいるといえるほどではない。数合わせのための廃車で、6000系は地下鉄乗入れ用に必要、2000系も編成の自由度が高いからなるべく廃車にしたくない、ということから9000系が貧乏クジを引かされたのだろう。残った5本は2020年度から4連に編成を短縮してワンマン化が行われ、多摩湖線で使用されることになった。

赤いのも残っている。結局9000系は80両中の20両が生き残った。電動車でみれば24ユニットのうちの19ユニットが廃棄(一部は20000系の予備品となったかも知れない)されたわけで、そろそろ更新の時期だったとはいえ、思いっ切りがよすぎるのではないかと思う。これを2000系に転用すればVVVFの4連が19本できるし、車体は9000系の方が新しいのだから、こちらを活かして2000系の先頭車を組み合わせた方が早い。サステナ車両云々の話が出てきたのはコロナ以後だったから、もしコロナがなければ9000系は全廃になっていたかも知れない。20両でも生き延びたのは儲けもの、ということか。

これは2000系、当初は混雑の激しい新宿線の西武新宿~田無間で使用する特殊用途の車両という位置付けだったが、その後、全線で使用されるようになり、最盛期には436両に達した。回生ブレーキ付きの界磁チョッパ制御で、登場時は省エネ車両の代名詞だった。

これは9000系、1992年で2000系の新製が終わり、翌年から10連8本が登場した。2000系と同じ車体だが101系の足回りを流用した抵抗制御車で、2003年度からVVVF制御に改造された。写真は2010年撮影で、前面のマークは省エネをアピールしている。モーターと制御装置は20000系と同じ、ギア装置は101系のものを流用しているので20000系よりギア比が小さく、鋼製車体で重いことなどを考慮して6M4Tとなった。
2000系と見分けるポイントは前面の手摺りが黒、電気連結器を備えていないことで、ドアもヘアライン仕上げの向きが2000系の縦に対して横になったため、少し艶消しのように見える。

京急擬きの塗色もあった。

20000系、アルミ車体でモーター出力は135kW、10連もMT同数の5M5Tとなっている。

9000系は2017年度に30両が廃車となった。この年は40000系が40両新製され、6000系の制御装置更新が行われている。車体はそろそろ更新の時期だが、まだ老朽化が進んでいるといえるほどではない。数合わせのための廃車で、6000系は地下鉄乗入れ用に必要、2000系も編成の自由度が高いからなるべく廃車にしたくない、ということから9000系が貧乏クジを引かされたのだろう。残った5本は2020年度から4連に編成を短縮してワンマン化が行われ、多摩湖線で使用されることになった。

赤いのも残っている。結局9000系は80両中の20両が生き残った。電動車でみれば24ユニットのうちの19ユニットが廃棄(一部は20000系の予備品となったかも知れない)されたわけで、そろそろ更新の時期だったとはいえ、思いっ切りがよすぎるのではないかと思う。これを2000系に転用すればVVVFの4連が19本できるし、車体は9000系の方が新しいのだから、こちらを活かして2000系の先頭車を組み合わせた方が早い。サステナ車両云々の話が出てきたのはコロナ以後だったから、もしコロナがなければ9000系は全廃になっていたかも知れない。20両でも生き延びたのは儲けもの、ということか。